犬猫の長寿命化により、ペット関連サービスは右肩上がりに増えています。
中でも「老犬ホーム」の利用数が年々増加傾向にあります。
あまり聞きなれないネーミングかと思いますが、皆さんご存知でしょうか。
ここではペットの長寿命化と密接に関係する「老犬ホーム」についてお話します。

ペットの長寿命化

ペットフード協会調べ2018年全国犬猫飼育実態調査によると、犬の平均寿命は14.29歳、猫の平均寿命は15.32歳でした。
ここ30年で寿命が2倍に延びたことになります。
要因として、飼育環境・食事事情が良くなったことがあげられるでしょう。
30年前はペットは外で飼育されるケースが多かった時代。
しかも、食事はほぼ毎日家庭の食事の残り物です。犬にとっては、味が濃すぎ、栄養バランスがかたよった状況で飼育されていました。
近年では、こうした人間の食すものはペットにとってよくないことが周知されてきたこと、それと同時に栄養バランスを考えた専用フードが普及したこと、などからペットの食事事情は大幅に改善されてきました。飼育環境もペットの小型化が進む中で、室内で飼育するケースが増えたことが、ペットの長寿命化につながったと考えられます。
ほかにも長寿命化の原因として、ワクチンや駆虫薬の普及による感染症の減少や獣医療の進歩などがあげられます。

ペットの介護

ペットの高齢が進むと、人間と同様に介護が必要になってきます。
老化が進むにつれ、自分で排泄ができなくなる、食事がとれなくなる、歩行補助が必要になる、寝たきりになり床ずれができる、視力・聴力の衰えにより飼い主の存在が分からなくなり不安から夜泣きをする、といった症状が出てきます。
認知症が発症すると、徘徊や夜泣き、方向感覚が鈍り始め、壁や物にぶつかったりといった症状が表れます。
人間社会の高齢化が進む中で、ペットの介護は高齢者の飼い主にとって大きな負担となります。
自身の体力の衰えにより老犬の介護に疲労困憊してしまう高齢の飼い主さんが増えてきています。
こうした飼い主の為のサービスとして「老犬ホーム」が存在します。

老犬ホームのシステム

入所について、一生涯の入所、数ヶ月単位での入所など、飼い主さんの状況によって異なります。
ホームのサービス内容は、食事や排泄、被毛のお手入れなど、散歩など身の回りのお世話はもちろん、予防接種や健康診断などの医療面のケアも含まれます。
費用も一生涯入所の場合は、一括で前もって支払う場合と、年間単位での請求の場合もありホームによって様々です。
医療費については、病院にかかった分をその都度請求の場合とそれらも込みでの費用として事前に一括での支払いが決まっているところもあります。
ホームによって違いがありますが、一生涯の場合、入所金込みで100万~必要になります。
年単位で30万~、月単位で3万~6万、費用がかかる見込みです。
決して安くはありません。介護やお世話が必要な老犬であれば相応の金額がかかることを知っておいたほうがいいでしょう。

老犬ホームの選び方

飼い主の利便性、ホームの設備、受入れの条件、利用料金など選択のポイントは様々です。
何よりすぐに会えることを重視する場合は、自宅からのアクセス・短期預かりへの対応・面会時間を確認しましょう。
ホームの体制・設備を重視する場合、スタッフの常駐時間・提携動物病院の有無・トレーニング設備やドッグランの有無などホームによって大きく違いがあるので必ず確認しましょう。
その他、ペットフードの指定であったり、食事や散歩の時間指定であったり、日常生活の過ごし方について指定可能な場合もあります。
預ける前に、一度足を運んでホームについて詳細を確認するのと同時に、その場の環境やスタッフの対応など確認しておきましょう。
いくら利便性が良くても、ホームの環境やスタッフの対応に不安があると預けるのが心配になります。

犬を預ける場所 「老犬ホーム」

飼い主さんからすると、愛犬を老犬ホームに預けるということは愛犬を「捨てる」ということではないかと考えてしまいがちです。
しかし、愛犬にとって何が幸せなのでしょうか。
飼い主自身が精神的・肉体的に辛い状況で、愛犬を十分にお世話できないということであるなら、犬にとっても不幸なことです。
そうであるなら、老犬ホームに預けるのも一つの選択肢ではないでしょうか。
おそらく預けるかどうか悩んでいる方は、自身が体力的にも精神的にもギリギリの状態なのではないでしょうか。
長く一緒に暮らしてきた愛犬を最後まで見てあげたい。しかし、飼い主の思うようにお世話をしてあげられない。そうした、ジレンマにおちいっている場合が多いからです。
あくまで、老犬ホームは預ける場であり、手放すことではありません。
会いたいときにホームへ出向いて愛犬の様子をうかがうのもいいいと思います。
自身の体調と相談してまた一緒に暮らすのもいいと思います。
大事なのは愛犬を思う事、そしてどんな形であれ最後までお世話をしてあげることではないでしょうか。

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