犬の肉球が大好きな方、けっこういると思います。あのプニプニ感がかわいくていいですよね。でも、そもそも犬の肉球ってなんのためにあるのでしょう?肉球の役割とその仕組みについてお話します。

犬の肉球の大切な役割とは

肉球には、次の3つの大切な役割があります。
♦足への衝撃を和らげる
厚くて弾力のある肉球は、犬の体重を支え、歩行時や着地時の足への衝撃をやわらげるクッションの働きをしています。また、裸足で歩く犬にとっては、さまざまな衝撃から足を保護してくれる役割があります。
♦足音を消す
肉球には、狩りの時、獲物に気づかれずに近づけるように、足音を消す役割があります。今はもうその役割は必要ありませんが。
♦地面の状態を感知する
肉球にはたくさんの神経や血管が分布しており、人の指先と同様、触覚・圧覚・温度感覚・痛覚を感じ取ることができます。
犬は肉球を通して地面の状態を感知しています。もし肉球を失ってしまったら歩くことすらできません。

肉球って何でできてるの?

あのプニプニした感触は、何でできているのでしょうか?
肉球の表面は、角質化したとてもぶ厚い皮膚で覆われていて、その皮膚の表層は円錐状突起の集まりでできています。 これが、爪とともに犬が走る際に地面を蹴る時、あるいはブレーキをかける時のスパイクの役割を果たしてくれます。
そしてその表層の下は、脂肪を含んだ繊維で構成されており、やわらかくて弾力のある皮下組織から形成されています。この部分が肉球のプニプニ感のもととなる箇所です。
犬には人のような汗腺がありませんが、唯一肉球周辺には汗腺があり、緊張すると人と同じように汗をかきます。また、発汗によって肉球を乾燥から守っています。

肉球のトラブル

♦やけどや乾燥に注意
肉球は直接地面に接する場所なので、散歩などで道を歩く際には路面の状態には十分に注意しましょう。
夏の灼けたアスファルトや砂浜を歩かせると、やけどの原因になります。
また冬の冷えた路面では、乾燥して肉球の表面が荒れたり、ひび割れたりすることがあります。
靴を履かせたり、クリームで乾燥を防ぐなど、ケアをしてあげましょう。
♦ケガをすると治りにくい
肉球の弱点は、皮膚の再生能力が低く、ケガに大してとても治りにくいことがあります。脂肪と線維組織で張りつめた状態にあるので、尖ったものなどを踏むと、傷口がパカッと大きく開いてしまうのです。表皮の硬い部分には血管が少なく、ケガが治癒するのに肉の盛り上がりにも時間がかかります。
しかも、体重がかかる場所なので負担が大きく、ふさがりかけた傷口がまた開きやすいということもあります。
♦犬ジステンパー
肉球が硬くなる症状が出る病気があります。
非常に致死率の高い感染症として知られる「犬ジステンパー」は、ウイルスの全身拡散により、結膜炎、激しい咳、鼻水、下痢が続きます。
皮膚病変として、紅斑、水疱や肉球の肥厚がみられます。

それ以外に、鼻や肉球の皮膚が角質化して硬くなる「ハードパッド」と呼ばれる症状が見られるのも、この病気の特徴です。

犬の肉球にケアは大事

犬の体で唯一汗をかく部位である肉球は、皮脂と汚れにから雑菌が増えやすい箇所です。外から帰ってきたら、まず、足や肉球の汚れを落としてあげましょう。水で濡らして洗う場合、その後しっかりふきとって、乾かしましょう。乾燥があまいと赤みや痒みが出るなどのトラブルにもつながります。
指の間には溝があったり、毛が生えていたりするので、部分洗いが難しい場所です。
また、肉球は個体差も大きいので、ひび割れや荒れなどトラブルがあるようであれば拭くだけにするなど、個別にケアの仕方に工夫が必要です。
子犬の頃はプニプニと柔らかかった肉球も、年齢とともにだんだんと固くなります。肉球の表面がガサガサしたり、ひび割れたりすることもあります。
そうならないためにも対策として、保湿ケアをしましょう。
足先はデリケートな場所なので、慣れないものを塗ると、気にしてすぐに舐めとってしまいます。
舐められることを考慮し、口に含んでも安全なペット専用クリームなどを選ぶことをおすすめします。
また、あらかじめ肉球にかかる毛は切っておきましょう。
毛が伸びていると、すべりやすく肉球本来の役割が果たせません。ケガの要因にもなります。
そうならないためにも、こまめにお手入れしてあげましょう。
適切な肉球のケアは健康維持にもつながります。

犬が肉球を舐めたり噛んだりする理由は?

足の裏や肉球を舐めたり、噛んだりする光景がよくみられます。
限度を超えると血がにじむまで噛んでしまったり、真っ赤に腫れてしまったり、ひどい場合は痛くて歩けないこともあるようです。
では、なぜ舐めるのか?違和感があるからです。
人間も手や足に違和感を感じたらその部分をさすったりすることがありますが、それと同じように犬も何か違和感を感じたら気持ちを落ち着かせるため、その部位をなめるという行為を行います。ただ、ひまで手持ち無沙汰で舐めている場合もあり、一概に舐めることが病気やケガにつながるわけではありません。個々の事象に応じて対応しましょう。
アレルギーを疑う方が多いですが、アレルギー反応から舐めるケースは、実際は少ないようです。
というのも、アレルギーであれば全身に症状が出ることが多いので、肉球だけを気にしている場合は違う原因であることが多いからです。
また、ストレスを要因として考えることもあります。しかし、犬のストレスを計ることは難しいのが実情です。
最初は肉球にトゲが刺さった、痒かったなど、なんらかのきっかけから、それが癖になりヒマなときにそれが出てしまうこともあります。
本来の犬は1日の大半を屋外で過ごし、狩りをし、仲間とコミュニケーションを取りながら群れで行動します。
しかし、飼育されていると自然な生活はできません。刺激の少ない室内で、長時間をひとりで過ごす犬たちは暇です。
暇に任せて、肉球を舐め続け、気づいたら赤く、痛くなっている。なんてことが少なからずあります。
言わばそれを犬にとってはストレスというのかもしれません。まず予防として散歩の時間を含めた1日の過ごし方、家族との過ごし方を、見直してみることが重要です。犬にとって楽しい時間を増やしてあげましょう。

炎症がひどい場合は消炎剤や化膿止めが必要なこともありますが、まず患部に触れさせないように管理することが大切です。
肉球を舐めたり噛んだりしているうちは治らないので、エリザベスカラーをして足先を舐めないようにするか、靴下などで足先をカバーするなどの対策を取りましょう。

肉球は犬の急所

このように肉球は犬にとっての急所でもある、大切な部分です。
歩く、走る、ジャンプする、肉球はすべての動作の起点となると言っても過言ではありません。靴や靴下をはかない限り素足で歩くのでいつでもケガの危険性があります。
散歩から帰ってきたときの足裏のチェックは欠かさず行いましょう。
肉球のマッサージ、お手入れはこまめに行いしっかりケアしてあげましょう。

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