長寿化が進んだ今日において、認知症を患うリスクは年々大きくなっています。
認知症への対応は戸惑いも多く、個々の犬によって症状が異なるため、その対処法が難しいのが現状です。
生きている間はできる限りのことをしてあげたい。ただ、今までできていたことができなくなる姿を目の当たりにすることは非常につらいことです。
認知症という病気とどう向き合っていけばいいのか、その対処法について考えてみたいと思います。

認知症の初期症状

ペットフード協会 2018年全国犬猫飼育実態調査によると犬の平均寿命は14.29歳です。
認知症の症状があらわれ始めるのが11歳ぐらいから、また13歳から急増する傾向にあります。
初期に適切な処置を行えば進行を遅らせることも可能です。
普段の行動をよく観察しておくことで、行動・態度に異変があった場合にいち早くに気づくことができるかもしれません。
では、具体的に認知症を発症するとどういった行動の変化があらわれるのでしょうか。

夜泣き

日々の生活のなかで普段できていたことができなくなっていることに対して不安を感じているようです。
自力で行うことができずに助けを求めている場合が多いです。
また、不安からくる寂しさで吠え続けるといったケースもあります。

対処法
愛犬が何に不安を感じているのか、何を求めているのか、行動から察知してあげましょう。
お腹がすいている?→食べ物を少量与える。 トイレにいきたい?→トイレの場所を寝床の近くに設置。 
寝心地がわるい?→寝床を広めにとる。など愛犬の要求にこたえてあげましょう。  
晩年になると、耳や目が不自由になり聞こえないことや見えないことに不安を覚え夜泣きをするケースがでてきます。
そんなときは 飼い主がそばに居てあげましょう。愛犬が音やにおいを感じることで飼い主がそばにいると分かると不安が解消する場合があります。
生活のリズムを変えることも大事です。
夜泣きをするということは夜に十分な睡眠をとることができずに、昼間に眠っている場合があります。
また、脳の認知機能が低下することで、体内時計の機能も衰えるため、昼夜の感覚にづれが生じはじめます。
日中に起きている時間をなるべく増やすように工夫しましょう。
動くことができるならゆっくりでかまいません運動する時間を増やすのもいいでしょう。
ただ、認知症の進行が進んでいる場合は体に負担がかからないように一回の散歩の時間を短くし、回数を増やすといいでしょう。

徘徊

ひたすら歩き続け、徘徊します。部屋をグルグル徘徊し、止めさせない限り何時間でも歩き続けます。

対処法
歩かせてあげましょう。逆に止めるとストレスを感じ悪化する可能性もあります。
認知症がすすむと前進はできますが後退ができません。また、目が不自由になると、何かにぶつかったりと危険です。
ケガ防止のために円形のサークルを用意してあげるといいでしょう。金属製のサークルよりメッシュサークルが安全です。

異常な食欲

記憶力の低下、満腹中枢の異常によって食べる量が増え、決まった時間に食事をとってもすぐに食べ物を欲しがります。
また、いくら食べても太らないのが認知症の特徴です。

対処法
1回の食事量を減らすといいでしょう。少量で回数を増やすことで、1日にとる食事量をバランスよく調整してください。
外出時には自動給餌器を活用してはいかがでしょうか。1日最大5回、1回の量を5g単位で設定できるものもあるようです。

無気力・無関心

最初はいつもより元気がないなといった感じですが、次第に反応が鈍くなり、最後には全く反応がなくなり飼い主の呼びかけにも無関心になってしまいます。

対処法
徐々に反応がなくなっていく姿を目の当たりにすることは飼い主としてはとても辛いことですが、それでも話しかけてあげてください。そうすることで認知症の進行を少しでも遅らせることができます。

その他の症状

抑揚のない単調な声で鳴き続ける
トイレの失敗が多くなった
その場で旋回を繰り返す
突然噛みついたり、攻撃的な行動をとる



認知症の予防対策

犬も人間と同様、年齢を重ねるにつれて脳の縮小によるいわゆる認知症をわずらうことが分かっています。
今の医学では完治は難しい病気ですが、初期症状であればサプリメントや食事療法などで進行の度合いを遅らせたりすることはできます。
また、認知症にならないように予防に努めることが重要です。
老犬になると、毎日の生活が単調になりがちです。
脳に刺激を与える、脳の活性化をうながすよう日々の生活にちょっとした変化をつけてあげましょう。
例えば、散歩のコースを頻繁にかえてあげる。いつもと違う景色やニオイ、犬にとって初体験がたくさんあることはいいことです。
知育玩具を与える。市販のものでいいです。おやつを取り出すのに懸命になったり、独特の音に耳を傾けたり、脳の活性化に役立ちます。
老犬にとって何より大事なのは飼い主とふれあう時間です。老犬になればなるほど一緒に遊ぶ時間であったり、スキンシップの時間を増やすよう努めましょう。それが、一番の認知症予防につながります。

認知症の症状については個々の犬によって進行の度合いが異なるため、対処法が難しいのも現実です。
また、進行が進むにつれて、飼い主の精神的な疲労やショックが大きくなることもあるでしょう。
しかし、最後まで見届けてあげてください。それが飼い主としての責任でありまた愛犬への感謝の気持ちをあらわす最後の時間でもあります。



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